LEDからの青色光成分(ブルーライト)の影響について
ブルーライトレスLEDについて、より詳しく知りたい方は
こちらの特設サイトをご参照ください。
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LEDの青色光は安全なレベルにあるとされつつも、継続して色々な議論がされています。
例えば、
・青色光により目の網膜に傷害を引き起こす!?
・青色光を浴び続けることで生活リズムが乱れ、眠りが妨げられる!?
・青色光により発がんリスクが高まる!?
・青色光を浴びるとシミができる!?
等が懸念されると言われており、ブルーライトカットの眼鏡などが販売されていることはまだまだそれら懸念が拭い去れていないということかもしれません。
また、LEDの光が眩しく感じられるという声もあり、これも青色光に関連があります。
ここでは、LEDの青色光の懸念について、LED専門メーカーとして改めてまとめてみました。
まずは下のグラフでLEDの代表的なスペクトルを確認しましょう。
LEDのスペクトルは、
・450nm付近にピークを持つ青色LEDスペクトル成分
・500~700nmにかけてなだらかな山を形成する蛍光体によるスペクトル成分
からなり、特に白色の光では、青色LEDスペクトル成分が大きくなります。
例えば、
・青色光により目の網膜に傷害を引き起こす!?
・青色光を浴び続けることで生活リズムが乱れ、眠りが妨げられる!?
・青色光により発がんリスクが高まる!?
・青色光を浴びるとシミができる!?
等が懸念されると言われており、ブルーライトカットの眼鏡などが販売されていることはまだまだそれら懸念が拭い去れていないということかもしれません。
また、LEDの光が眩しく感じられるという声もあり、これも青色光に関連があります。
ここでは、LEDの青色光の懸念について、LED専門メーカーとして改めてまとめてみました。
まずは下のグラフでLEDの代表的なスペクトルを確認しましょう。
LEDのスペクトルは、
・450nm付近にピークを持つ青色LEDスペクトル成分
・500~700nmにかけてなだらかな山を形成する蛍光体によるスペクトル成分
からなり、特に白色の光では、青色LEDスペクトル成分が大きくなります。

この青色光の成分が、私たちにどのような影響を及ぼすかそれぞれ見ていきましょう。
光による安全性については、JIS C7550-2014「ランプ及びランプシステムの光生物学的安全性」に規定されていて、その中には目や皮ふへのリスクについて、紫外線、赤外線ごとの許容度合が示されています。
青色光については、強い青色光によって目の網膜にダメージが与えられることから、“青色光による網膜傷害LB”として示されており、リスクグループは「免除グループ」「リスクグループ1(低危険度)」「リスクグループ2(中危険度)」「リスクグループ3(高危険度)」の分類があります。
青色光による網膜傷害LBは以下の式によって求められますが、
青色光については、強い青色光によって目の網膜にダメージが与えられることから、“青色光による網膜傷害LB”として示されており、リスクグループは「免除グループ」「リスクグループ1(低危険度)」「リスクグループ2(中危険度)」「リスクグループ3(高危険度)」の分類があります。
青色光による網膜傷害LBは以下の式によって求められますが、

要は、発光スペクトルの形とB(λ)で規定される青色光傷害作用関数がどれくらい重なるかというのを評価している式となります。
B(λ)は以下のグラフのようになっており、435~440nmに傷害作用のピークがあることが分かります。青色に分類される光は430~495nmの波長となるのですが、青色の中でも短波側の光はより傷害の度合いが強いということです。
B(λ)は以下のグラフのようになっており、435~440nmに傷害作用のピークがあることが分かります。青色に分類される光は430~495nmの波長となるのですが、青色の中でも短波側の光はより傷害の度合いが強いということです。

リスクグループ1以上は、「危険」の文字がありますが、「リスクグループ1」は“通常の行動への制約が必要になるような傷害を引き起こさないもの”、「リスクグループ2」は“嫌悪感及び熱的な不快感を伴う傷害を引き起こさないもの”と定義され、光源を直視し続けなければ目を傷めることは無い程度と言えます。
「リスクグループ2」の照明であれば、0.25秒以上見ると許容限界を超える可能性はありますが、眩しくて0.25秒も見続けることは出来ないでしょう。
なお、LEDの高輝度化に伴い、LEDデバイスそのもののリスクグループは多くが「1~2」に区分されますが、実際の器具に組み込まれる際は、拡散板などを通じて光が出ているのでリスクグループは下がると想定されます。下の表は当社のLEDデバイスの代表的なリスクグループ評価データとなります。
「リスクグループ2」の照明であれば、0.25秒以上見ると許容限界を超える可能性はありますが、眩しくて0.25秒も見続けることは出来ないでしょう。
なお、LEDの高輝度化に伴い、LEDデバイスそのもののリスクグループは多くが「1~2」に区分されますが、実際の器具に組み込まれる際は、拡散板などを通じて光が出ているのでリスクグループは下がると想定されます。下の表は当社のLEDデバイスの代表的なリスクグループ評価データとなります。

なお、若い人は水晶体が透き通っているため、青色光を通しやすく、そのため大人と比べて子供は青色光による網膜傷害の危険度は高くなると言われています。
そのため、国によっては学校で使用される照明にはリスクグループ0の照明の使用を義務化しているところもあります。
そのため、国によっては学校で使用される照明にはリスクグループ0の照明の使用を義務化しているところもあります。
人間は脳内に体内時計を持っており、それによってサーカディアンリズム(概日リズム)が作られています。
厚生労働省ホームページ参照
体内時計は日周と完全には一致しておらず、目から入ってきた光によってメラトニンの分泌が増減することで調整されており、サーカディアンリズムが整えられます。
厚生労働省ホームページ参照
体内時計は日周と完全には一致しておらず、目から入ってきた光によってメラトニンの分泌が増減することで調整されており、サーカディアンリズムが整えられます。

このメラトニアン分泌についても、光の波長依存性があり、次のような分泌抑制の作用スペクトルが知られています。2)

この作用スペクトルによれば、波長464nmの光が最もメラトニアンを抑制する効果が高くなっており、青色光の波長領域に渡ってメラトニンの分泌抑制効果があることが分かります。
したがって、青色の光を浴び続ければ、体内時計を調整する機能が損なわれ、眠りに入りにくくなるということが言えるでしょうし、逆に日中青色の光を浴びずに過ごすことは、好ましくないでしょう。
したがって、青色の光を浴び続ければ、体内時計を調整する機能が損なわれ、眠りに入りにくくなるということが言えるでしょうし、逆に日中青色の光を浴びずに過ごすことは、好ましくないでしょう。
光と発がんという衝撃的な内容ですが、スペインでの統計学的な研究3)がその由来になっているようです。論文を見ますと、
・前立腺がんと乳がんを対象に調査を行った。これらのがんはホルモンバランスによって影響を受けることが知られている。
・青色光は、衛星写真を解析して、当該地域での夜間青色光暴露量を推定した。
というもので、まず青色光が直接発がんリスクを高めるものではなく、ホルモンバランスの乱れを誘引して発がんリスクが高めると想定している点は理解しておく必要があります。
また、衛星写真を解析して市街地の青色光成分量を求めたデータを基礎としていて、夜間就寝の際に室内の人にどれだけ影響を与えているかは正確な把握は難しく、もう他の研究の結果も待ちたいところです。
・前立腺がんと乳がんを対象に調査を行った。これらのがんはホルモンバランスによって影響を受けることが知られている。
・青色光は、衛星写真を解析して、当該地域での夜間青色光暴露量を推定した。
というもので、まず青色光が直接発がんリスクを高めるものではなく、ホルモンバランスの乱れを誘引して発がんリスクが高めると想定している点は理解しておく必要があります。
また、衛星写真を解析して市街地の青色光成分量を求めたデータを基礎としていて、夜間就寝の際に室内の人にどれだけ影響を与えているかは正確な把握は難しく、もう他の研究の結果も待ちたいところです。
こちらも、シミにつながるという衝撃的な内容です。
以下の論文などがその根拠になっているようです。
・ Journal of Investigative Dermatology
・ Oxidative Medicine and Cellular Longevity
40~50J/cm2の光の強さで抗酸化力の低下や色素沈着が見られたという試験結果ですが、この光の強さは直射日光下1時間程度いた時の相当であり、室内のLEDの光は太陽光ほど強くないので、太陽光をまずは気にした方が良いですね。
以下の論文などがその根拠になっているようです。
・ Journal of Investigative Dermatology
・ Oxidative Medicine and Cellular Longevity
40~50J/cm2の光の強さで抗酸化力の低下や色素沈着が見られたという試験結果ですが、この光の強さは直射日光下1時間程度いた時の相当であり、室内のLEDの光は太陽光ほど強くないので、太陽光をまずは気にした方が良いですね。
今はどこもLED照明だらけですが、一昔前のLED照明が導入された当初の頃は、LEDの光が眩しいと感じられた経験は無いでしょうか?
最近は光学設計の改善や拡散板により、LEDの粒々に散らばった光源が目に入って眩しいと感じられることはほぼ無いと思います。
ただ、光の眩しさは波長にも関係しているというのも事実としてあります。4)5)6)
4)の報告によれば、下の図と表に示されるように、460nmの青色光は570nmの黄色光に比べて、7倍~25倍も少ない輝度で眩しく感じるとのことです。
また、同じ青色光でも短い波長の光の方がより眩しさを感じやすいということも分かります。
最近は光学設計の改善や拡散板により、LEDの粒々に散らばった光源が目に入って眩しいと感じられることはほぼ無いと思います。
ただ、光の眩しさは波長にも関係しているというのも事実としてあります。4)5)6)
4)の報告によれば、下の図と表に示されるように、460nmの青色光は570nmの黄色光に比べて、7倍~25倍も少ない輝度で眩しく感じるとのことです。
また、同じ青色光でも短い波長の光の方がより眩しさを感じやすいということも分かります。


そのため、短波長の青色波長成分を多く含むようなスペクトルの光は、従来光源と比較して眩しさを感じやすいというのは事実のようです。
当社でも短波長の青色波長成分の少ない光源を作り、通常品と比較してみましたが、より眩しさ感が少ないことを確認しています。
特に高齢者は水晶体が濁るなどにより、光をより眩しく、しかし暗く感じます。眩しさについては、若年者と比べて約半分の光で眩しさ(不快グレア)を感じるという研究結果もあります。7)
そのため、眩しくない光というのは、高齢者に優しい光であると言えます。
当社でも短波長の青色波長成分の少ない光源を作り、通常品と比較してみましたが、より眩しさ感が少ないことを確認しています。
特に高齢者は水晶体が濁るなどにより、光をより眩しく、しかし暗く感じます。眩しさについては、若年者と比べて約半分の光で眩しさ(不快グレア)を感じるという研究結果もあります。7)
そのため、眩しくない光というのは、高齢者に優しい光であると言えます。
まとめ
LEDの青色光によって
1.網膜傷害のリスクが発生する
2.メラトニン分泌が抑制され、眠りが妨げられる
3.光が眩しく感じる原因になる
ということはあるようです。
ただし、日本照明工業会からの資料8)にもあるように危険であるということではなく、安心してLED照明は使って頂けます。
ですが、特に網膜傷害のリスク度が高く、眩しさを感じさせ易い、短波長側の青色光は少ないに越したことはなさそうです。
当社では、さらに安心して使って頂ける、より良いLED光源の開発を進めております。
1.網膜傷害のリスクが発生する
2.メラトニン分泌が抑制され、眠りが妨げられる
3.光が眩しく感じる原因になる
ということはあるようです。
ただし、日本照明工業会からの資料8)にもあるように危険であるということではなく、安心してLED照明は使って頂けます。
ですが、特に網膜傷害のリスク度が高く、眩しさを感じさせ易い、短波長側の青色光は少ないに越したことはなさそうです。
当社では、さらに安心して使って頂ける、より良いLED光源の開発を進めております。
ブルーライトレスのLEDの詳しい情報はこちら
より詳しく知りたい方はこちらの特設サイトをご確認ください。

出展:
1) JIS C7550-2014「ランプ及びランプシステムの光生物学的安全性」
2) “Action Spectrum for Melatonin Regulation in Humans: Evidence fora Novel Circadian Photoreceptor” George C. Brainard et al., J. Neurosci, 21, pp.6405-6412 (2001)
3) “Evaluating the Association between Artificial Light-at-Night Exposure and Breast and Prostate Cancer Risk in Spain” Ariadna Garcia-Saenz et al., Environmental Health Perspectives, Vol. 126, No. 4 (2018)
4) “夜間の屋外環境におけるグレアの評価について” 田中 宏和
http://www.hues.kyushu-u.ac.jp/education/student/pdf/2013/2HE11083R.pdf
5) https://www.iwasaki.co.jp/tech-rep/technical/176/
6) “Effect of wavelength on discomfort glare from monochromatic sources” Michael Flannagan et al., Transportation Research Institute Report No. UMTRI-89-30 (November 1989)
7) 高齢者の不快グレア-光色との関係- 照明学会誌第77巻 第6号 平成5年
8) http://www.led.or.jp/ver10.1%2020141001.pdf